乳児脂漏性皮膚炎
乳児脂漏性皮膚炎とは
乳児脂漏性皮膚炎は、その名の通り、赤ちゃんに起こる皮膚炎です。生後2~3ヶ月頃の赤ちゃんは、ホルモンの影響などで皮脂が分泌されやすい傾向があります。この皮脂により生じる皮膚トラブルを脂漏性皮膚炎といいます。乳児期に続く慢性的な湿疹は、アレルギーにつながる一因となることがあるため、早めに受診をし、正しい肌のケアや治療を行いましょう。
症状
乳児脂漏性皮膚炎は、頭皮や額、耳の周辺、股部、脇の下など、皮脂腺(皮膚の内部にある皮脂を分泌する腺)が多い部分にできやすく、最初は赤みが出る程度ですが、湿疹化するとカサカサしたり、ジュクジュクしたり、クリーム色のかさぶたができたりして、痒みを伴う場合があります。
治療
外用薬
- アズノール軟膏
- 非ステロイド軟膏です。抗炎症作用、傷の治癒を助ける作用などがあります。副作用が少なく、赤ちゃんにも安心して使える外用薬です。
- 抗真菌薬
- カビ(真菌)が症状を悪化させている場合に用いる外用薬です。
- ステロイド外用薬
- 炎症を抑える作用の高い外用薬です。ステロイドというと副作用を心配される方もいらっしゃいますが、当院では不必要なステロイド外用薬は使わず、メリットがデメリットを上回ると判断した場合のみ処方しております。
- 保湿剤
- 保湿剤を塗っておくことで、皮膚を保護することができます。
Q&A
- Q.日頃のスキンケアのポイントを教えてください
- A.顔や体は、毎日きちんと石けんを使って、洗ってあげることが大切です。赤ちゃんの皮膚はとてもデリケートなので、ゴシゴシ洗わずに、石鹸をよく泡立て、優しく綺麗に洗ってあげてください。洗い終わったらよく流して、こすらないようにして拭きましょう。
- Q.この湿疹はアトピーなのでしょうか?
- A.通常、乳児脂漏性皮膚炎は数週間~数ヶ月の間に軽快していきます。アトピー性皮膚炎の診断は即時にできるものではなく、長期的にお肌の状態を確認したうえでの診断になりますので、まずはスキンケアと湿疹の症状に応じた治療を行いながら定期的に通院していくことが大切です。
治療後のご注意
- ◎ 患部をシャンプー、石鹸できちんと洗いましょう。洗い残しは悪化の原因となりますので洗い残しのないようシャワーで流しましょう。
ご予約・お問い合わせ
乳児脂漏性皮膚炎の受診はご予約不要です。
ご不明な点があればお電話か予約フォームにてお問い合わせ下さい。