じんましん
じんましんとは
じんましんは、突然皮膚の一部が赤く盛り上がり、数時間ほどで跡かたなく消えてしまう病気です。痒みを伴うことが多く、場合によってはチクチクとした痛みや灼熱感を感じることもあります。じんましんは、できては治るというのを繰り返す場合もありますので、一度症状が出たら、一旦症状が落ち着いても皮膚科を受診しておくことをおすすめします。
原因
じんましんの原因として、食物アレルギーや薬剤アレルギーがよく知られていますが、その他にもさまざまな原因により症状が出現します。原因が不明のじんましんも少なくありません。また、要因の多くは単独ではなく組み合わさってじんましんの原因となります。原因をつきとめるために、詳しくお話をうかがい、必要であれば、血液検査を行うこともあります。
じんましんの要因となるもの
- 食物
- 魚介類(エビ、カニ、サバなど)、卵・乳製品(卵、牛乳、チーズなど)、肉類(豚肉、牛肉、鶏肉など)、穀類(小麦、蕎麦など)
- 薬剤
- 抗生物質、非ステロイド性消炎鎮痛薬(アスピリンなど)、せき止めなど
- 物理的な刺激
- 下着などによる摩擦や圧迫、こすれ、寒冷・温熱刺激、日光など
- その他
- 運動や発汗(特定の食品や体質などと組み合わさって原因となる)内臓や全身の病気(甲状腺疾患、ウイルス性肝炎、膠原病など) 疲労・ストレス(身体的・精神的なもの)
症状
皮膚に突然、蚊に刺されたときのような赤みのある膨らみが出現し、しばらくすると跡形もなく消えます。じんましんには、2~3mmの円形や楕円形のもの、ミミズ腫れのような線状のもの、直径10cm以上にもなる地図状のものなど、様々な形状があります。痒みを伴うことが多いですが、自覚症状のない場合もあります。1つ1つの発疹は24時間以内に消えますが、ほかの部位に新たに発疹が生じることが多いです。じんましんは、顔を含めた全身のどの部分にも起こる可能性があります。また、じんましんに併せて、呼吸困難・血圧低下などの症状が見られる場合には、アナフィラキシーと呼ばれるショック状態の可能性もあるため、早急に受診が必要です。
治療
まず、原因や悪化要因の除去が大切です。ただ、じんましんは原因の特定が困難な場合もあります。次に、薬による治療も大切です。
内服薬
- 抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬
- 多くのじんましんでは、ヒスタミンという物質が血管や神経に働くことで症状が現れます。このヒスタミンの作用を抑える効果のある薬が抗ヒスタミン薬です。また、抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬もあり、患者様の症状に合わせて最適な薬を処方いたします。
外用薬
- ステロイド外用薬
- 炎症を抑える効果がある外用薬です。症状に応じて、最適な強さのステロイド外用薬を処方します。
注射
- 抗炎症効果のある注射
- ノイロトロピン注、強力ネオミノファーゲン注、ポララミン注など
- 抗IgE抗体製剤ゾレア®
- ゾレア®はアレルギーの原因となるIgEという物質をブロックする抗体を人工的に作った分子標的薬と呼ばれる注射薬です。ゾレア®は、2009年に気管支喘息の治療として、2017年には慢性蕁麻疹の治療薬として保険承認されました。従来の治療では効果が不十分な方にも効果が期待できますが、喘息やアナフィラキシーに対応可能な病院での使用が望ましいとされているため、ご希望の際にはご紹介させていただきます。
点滴
- ソル・コーテフ
- 抗炎症効果のあるステロイド点滴。
Q&A
- Q.アレルギー検査はできますか?
- A.血液検査によるアレルギー検査は可能です。(保険適応)小児の場合は指先から少量の血液をとり、6種類のアレルギーを調べる検査を行います。
- Q.治療中の注意事項はありますか?
- A.体が温まるとじんましんが出やすくなりますので、飲酒・激しい運動などはなるべく控えてください。また、摩擦や締め付けも良くないので、身体を洗う時にゴシゴシと擦ったり、締め付けの強い下着などは避けるようにしましょう。
- Q.じんましんが出ましたが、現在は消えています。受診したほうが良いですか?
- A.じんましんは一旦消えたように見えても、繰り返し出ることがありますので、受診したほうが良いでしょう。じんましんが出ているときの写真などを持参していただくとより治療が行いやすくなります。
治療後のご注意
- ◎ 体が温まるとじんましんが出やすくなりますので、飲酒・激しい運動などはなるべく控えてください。
また、摩擦や締め付けも良くないので、身体を洗う時にゴシゴシと擦ったり、締め付けの強い下着などは避けるようにしましょう。
ご予約・お問い合わせ
じんましんの受診はご予約不要です。
ご不明な点があればお電話か予約フォームにてお問い合わせ下さい。