手湿疹
手湿疹とは
手湿疹とは、手にできる湿疹や炎症のことで、手に触れる物質の刺激やアレルギーによって起こります。主婦や美容師、調理師の方など化学物質を含む洗剤や水を頻繁に使用する方に多く見られます。一度悪化するとなかなか治らないという場合も多く、早期の治療が大切です。手が乾燥しているなどの些細な症状でも、早めに受診して適切な治療・ケアを行いましょう。
原因
皮脂の減少やバリア機能の低下が主な原因です。健康な皮膚には、様々な刺激から皮膚を守るために、皮脂膜と呼ばれる保護膜やバリア機能が備わっています。しかし、お湯や洗剤を何度も使用するなどして、刺激や摩擦が多く加わると皮脂が過剰に取れすぎてしまったり、皮膚のバリア機能が低下してしまうことがあり、その結果、カサカサしたり湿疹ができたりします。悪化するとひび割れや炎症がおき、治りにくくなってしまいます。
症状
手湿疹は主に、利き手の指先から症状が出始め、カサカサ・皮膚が硬くなるなどの症状がみられます。ここで適切なケアや治療をせずにいると、他の指や手のひら、次第に手の甲にまで症状が広がり、水疱やひび割れが生じます。痒みの強さには個人差があります。
検査
- 細菌顕微鏡検査
- 患部の皮膚を少し取り、カビ(真菌)の有無を顕微鏡で観察する検査です。
- パッチテスト
- アレルギー性の接触皮膚炎が疑われる場合や手湿疹の原因となっているものを特定したい場合に行います。
パッチテストとは?
背中などの正常な皮膚に、試薬を付けたフィルム(パッチテスター)を貼ります。 2日目に再診してもらい、パッチテスターを剥がします。その後、テスターの刺激反応が消えるまで30分待ち、結果を判定します。
治療
外用薬
- ステロイド外用薬
- 手湿疹の炎症を抑制する薬剤です。症状に応じて、最適な強さのステロイド外用薬を処方します。
- 亜鉛華軟膏
- かさぶたを軟化させ、湿潤面を乾燥化したり、皮膚を保護する作用があります。
- 保湿剤
- 保湿剤を塗っておくことで、皮膚を保護することができます。
内服薬
- 抗アレルギー剤
- アレルギー反応を緩和して、痒みを軽減する飲み薬です。
紫外線治療
- ナローバンドUVB
- ナローバンドUVBは、紫外線の一種であるUVBの中でも、さらに手湿疹に効果が認められる波長のUVBだけを患部に照射し、痒みや炎症を抑える治療です。副作用が少なく、高い治療効果が得られます。
皮膚保護クリーム
- プロテクトX2
- 皮膚に保護膜層を形成するクリーム。刺激物や摩擦から手肌を守り、皮膚をすこやかに保ちます。
Q&A
- Q.日常生活で気をつけることはありますか?
- A.水仕事などで水に触れる回数が多いと、皮膚が乾燥してしまいますので、食器を洗うとき、掃除をするときなどにはゴム手袋やプロテクトXを使っていただくのが理想的です。
- Q.ハンドクリームは市販のものでもよいのでしょうか?
- A.市販のハンドクリームには、添加物が入っていたり、刺激感のあるものがあります。そのようなものは、刺激になることがありますので、避けていただいたほうが無難です。当院では、刺激が少なく保湿力の高いセラミドも取り扱っておりますのでお気軽にご相談ください。
- Q.通院頻度はどのくらいですか?
- A.症状がひどいときは、週に1回程度のペースで処置を行うのが理想的です。症状が落ち着いてからも、油断すると再び悪化することもありますので、日々のケアは欠かさないようにしましょう。
治療後のご注意
- ◎ 水仕事などで水に触れる回数が多いと、皮膚が乾燥してしまいますので、食器を洗うとき、掃除をするときなどにはゴム手袋などを着用して下さい。
ご予約・お問い合わせ
手湿疹の受診はご予約不要です。
ご不明な点があればお電話か予約フォームにてお問い合わせ下さい。