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薬疹
薬疹とは
薬疹(やくしん)とは、なんらかの薬を服用したことにより生じる発疹です。病院で処方される薬だけでなく、市販薬でも起こることがあります。薬疹の中には、命に関わったり後遺症が残ったりするような重症なものもあります。早めの治療が大切ですので、お薬を飲んで発疹が出現した場合には、早めに皮膚科を受診するようにしてください。
薬疹の症状・種類
薬疹は薬の種類や患者さまの体質によりさまざまなタイプの発疹が見られ、皮膚が赤色、紫色、青色などに変色することもあります。発疹によっては痛みを伴うものもあります。発疹は薬の服用後、数分以内に生じる場合もあれば、数時間~数日、さらには数週間遅れて生じる場合もあります。
<軽症もしくは中等症の薬疹>
- 播種状紅斑丘疹型薬疹
- 薬疹の中で一番多い型です。体幹や腕、足に現れる対称的な紅斑で、原因となる薬の服用後、数日程度で生じることが多いです。
- 多形紅斑型薬疹
- 播種状紅斑丘疹型の次に多い型です。腕や足中心の紅斑で、口の中などの粘膜に発疹が出ることもあります。
- 固定薬疹
- 内服して数時間で毎回同じ部位に紅斑が出現し、色素沈着を起こします。
- じんましん型薬疹
- 内服して数分から30分程でじんましん、時に冷や汗や血圧低下などのアナフィラキシー症状を起こします。
<重症の薬疹>
- スティーヴンス・ジョンソン症候群(SJS)
- 38℃以上の高熱を伴い、全身の皮膚に紅斑や水疱・びらんを生じます。眼の結膜や角膜、口の中の粘膜などにびらん(ただれ)や出血といった重篤な発疹が現れます。
- 中毒性表皮壊死症(TEN)
- 中毒性表皮壊死症は、高熱や全身倦怠感などの症状を伴って、口唇・口腔、眼などを含む全身に紅斑や水疱、びらん(ただれ)が広範囲(びらんの面積が10%以上)に出現する重篤な疾患です。
- 薬剤過敏症症候群(DIHS)
- 薬剤過敏症症候群は、薬剤に対するアレルギー反応だけでなく、ウイルス感染が関与する薬疹の一型です。症状は発熱と急速に広がる紅斑で、肝機能障害や好酸球増多などを伴います。
薬疹の原因
薬疹の原因となる薬は、抗生剤や解熱鎮痛剤が多くあげられますが、どんな薬でも薬疹を起こす可能性はあります。
薬疹の検査
薬疹の検査として、血液検査やパッチテスト、内服テスト(もう一度原因薬を内服していただく誘発試験)などがあります。内服テスト検査が必要な場合は、入院が必要ですので、大学病院などの適切な医療機関をご紹介いたします。
薬疹の治療
まず薬疹の原因となっている可能性がある薬を中止します。ただし薬の種類によっては、すぐに中止すると危険を伴うものもありますので、医師の指示に従ってください。
外用薬
- ステロイド外用薬
- 薬疹による炎症を抑える作用があります。炎症の程度や部位に応じて最適なものを選択します。同じ部位に長期間塗り続けると、皮膚が薄くなるなどの副作用が起こることがありますが、薬疹では副作用を生じるほど長期間使用することは基本的にありません。
内服薬
- ステロイド内服薬
- 炎症を抑える効果のある飲み薬です。炎症が強く起きている場合に処方します。重症でステロイドの大量投与が必要な患者さまは、大学病院など適切な医療機関へご紹介させていただきます。
- 抗アレルギー薬
- アレルギー反応を抑え、かゆみ止めの効果もある薬剤です。
薬疹のQ&A
- Q.薬疹を予防する方法はありますか?
- A.薬疹を予防する方法はありませんが、不要な薬を飲まないようにすることで薬疹の発生を減らすことはできます。必要のないお薬をむやみに飲まないようにしましょう。
- Q.薬疹が出ない薬はありますか?
- A.薬疹が絶対に起こらないという薬はありません。病院で処方するお薬だけでなく、市販薬でも薬疹が起こる可能性はあります。また安全なイメージのある漢方薬も薬疹が起こる可能性はゼロではありません。
- Q.薬疹が出たかもしれません。どうすればよいですか?
- A.早めに皮膚科を受診してください。お薬手帳など、飲んでいる薬のわかるものをご持参ください。また、薬疹の原因となった薬の名前は、今後も病院や薬局で医師・薬剤師に必ず伝えるようにしましょう。
ご予約・お問い合わせ
薬疹の受診はご予約不要です。
ご不明な点があればお電話か予約フォームにてお問い合わせ下さい。