円形脱毛症
円形脱毛症とは
円形脱毛症とは、兆候なく突然、円形や楕円形の脱毛が突然生じる病気です。10円玉くらいの脱毛と思われていることが多いですが、頭部全体に広がるものや、眉毛や体毛などに及ぶものまで、その症状はさまざまです。脱毛した面積や脱毛してからの期間が長いものほど治りにくくなる傾向にありますので、早めの治療が大切です。
原因
近年では円形脱毛症は「自己免疫疾患」の一種であると考えられています。自己免疫疾患とは、免疫機能に異常が生じ、自分の体の一部分を異物として攻撃してしまう病気です。要するに、円形脱毛症では毛包を異物と間違えて攻撃してしまい、その攻撃により毛包が傷んでしまい、健康な髪まで抜け落ちると考えられています。また、円形脱毛症の方は甲状腺疾患・尋常性白斑・SLE(全身性エリテマトーデス)・関節リウマチなど、ほかの自己免疫性疾患も併発する場合があります。さらに、円形脱毛症の約40%の方がアトピー性皮膚炎を合併しているなど、アトピーとも関連性があると言われています。
症状
円形脱毛症では、髪の毛が円形に抜けるのが特徴です。症状が進行するとまだら状に抜け、さらに重症になると頭全体の毛が抜け、眉毛・体毛など全身の毛が抜けることもあります。一般的に自覚症状はないことが多いですが、脱毛する前に軽い痒みや違和感を生じることがあります。また、爪にも変化が見られることがあります。
保険治療
外用薬
- 塩化カルプロニウム
- 頭皮の血流を改善する作用がある外用薬です。副作用が非常に少ないのが特徴です。
- ステロイド外用薬
- 炎症を抑える作用がある外用薬です。円形脱毛症の頭皮では、毛包の周囲に炎症細胞が集まっているため、炎症を抑えるステロイドが有効と言われています。ステロイド外用薬は、日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも推奨されています。
内服薬
- セファランチン
- 血流を促進する作用などがある内服薬です。
- グリチロン
- 炎症やアレルギーを抑える作用があります。
- 抗アレルギー薬
- アレルギー症状を緩和する内服薬です。アトピー性皮膚炎などをお持ちの方には、脱毛範囲が狭くなるなどの効果が見られます。
- ステロイド内服薬
- 炎症や免疫機能を抑える効果のあるステロイドの内服薬です。発毛を促進する効果が認められていますが、副作用が起こることがあり、脱毛が広範囲に広がっている進行が速い成人に限定して用いられます。
光線療法
- エキシマ光線療法セラビーム
- エキシマによる紫外線療法はさまざまな皮膚疾患に有効ですが、最近は円形脱毛症にも効果が認められ、保険適応となりました。1~2週間に1回の照射がおすすめです。
注射
- ステロイド局所注射
- 脱毛部にステロイドを直接注射する治療法です。日本皮膚科学会でも有効性が高いとされていますが、痛みが強く、繰り返し注射を行うと皮膚が薄くなってしまう副作用が起こることがあります。
自費治療
液体窒素冷却療法
1回 1,100円
-196℃の液体窒素を用いて、脱毛部に刺激を加えることで、発毛を促します。軽いピリピリ感と赤みを一時的に生じますが、耐えられないほどではありません。週に1回のペースで定期的に治療を行うのが効果的です。
局所免疫療法(SADBE サドベ)
1箇所 1,100円
人工的にかぶれを起こす治療です。円形脱毛症の炎症から、かぶれの炎症に変調させることで、発毛を起こすと考えられています。 2週間に1回行います。今までの治療で効果がなかった人にも効果的です。
Q&A
- Q.円形脱毛症は、ストレスで起こるものではないのですか?
- A.以前は、円形脱毛症の原因はストレスだと考えられていましたが、近年では自己免疫疾患の一種であると考えられています。ただ、なぜ自己免疫疾患が発症するのかは現在のところ、わかっていません。
- Q.円形脱毛症は再発しますか?
- A.再発しやすい傾向にあります。規則正しい生活やバランスの良い食事などを心がけましょう。
- Q.子供でも円形脱毛症になりますか?
- A.円形脱毛症は、年齢に関係なく発症する病気です。お子さんでも発症する場合があります。当院では、なるべく痛みなく治療できるように心がけておりますので、お子さんの治療もお気軽にお尋ねください。
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